紛争アクターを「幻滅」させよ! これがミレニアル世代の解決策
ギャングや過激派を味方にするのが一番効率的だ。
本当のことを言うと、アフリカにはあまり行きたくないんです
ーー永井さんは現在26歳ですが、これから年を重ねて「若者」ではなくなる。それを踏まえて今後の目標をどのように考えていますか?
確かにこれまでは「若者だからできること」にこだわって活動をしてきて、それなりにインパクトのある結果を出すことができたと思っています。じゃあ僕が大人という立場になって、若者にできないことは何なのか。この具体的な答えの一つが、アクセプト・インターナショナルの組織マネジメント、法人としての経営です。細々としていて退屈な仕事だけど精度は要求される。そういう仕事は大人のほうが向いているし、そういった理由から現在も事務局のメンバーのほとんどを社会人にしているんです。
一方で「Movement with Gangsters」の活動は、学生のほうが向いているから彼らに現場を任せていますね。学生だからってインターンやボランティアのような形で雑務で消耗させるようなことはしない。だから僕たちの組織は大人だからできることと、若者だからできることの掛け算で運営されているんです。ちなみに、僕自身はいま「アルシャバーブ」向けのDDRに参加していますが、これも彼らの平均年齢が僕と似たり寄ったりということが理由の一つであったりします。
現場レベルでの今後の目標は、イスリー地区のギャングを一通り受け入れ、解体すること。この地区はアルシャバーブのリーダーの出身地でもあるので、重火器もゴロゴロあるしファンドレイザーやブローカーをはじめとしたアルシャバーブのパイプが強く生きています。ここのギャングを社会復帰させることができれば、大勢に大きな影響を与えられることは間違いありません。その先は、ナイジェリアの武装組織「ボコ・ハラム」に対するDDRも進めていきたいと思っています。
とはいえ、本当のことを言うと、アフリカにはあまり行きたくないんです。決して好きな場所ではないです。 誰かがやらなきゃいけないから、やっている。青臭い使命感です。地球の裏側で、同じ人間が毎日何百人と殺されている 。同胞である人間がひどい目に遭っている。なんとかしなければいけないという人間としての責任を感じるし、僕はそうやって人間らしく生きていたいと思うんです。